DOJが積極的に取り組む「オフショア開発」とは、海外の企業へ開発業務を委託すること。
このオフショア開発には、日本と海外の橋渡し役を担う「ブリッジSE」の存在が欠かせません。
DOJのブリッジSEとして活躍する澤谷に仕事内容ややりがいについて聞いてみました!
プロフィール
- 所属:DX事業本部
- 職種:ブリッジSE
- 趣味:Jリーグ観戦、ゴルフ、コーヒー、観劇
- 経歴:2018年新卒でデザインワン・ジャパンに入社。Webエンジニアとして1年の経験を積み、ブリッジSEとしてベトナムに1年間出向。現在は日本に在住。
IT業界に可能性を感じたけど、タイピングもできなかった大学時代。
ーどんな学生時代を過ごしましたか?
中高はサッカー部でしたけど、大学ではアルティメットをやっていました。フリスビーを使ったバスケみたいなスポーツで、大学から始める人もけっこう多いです。
▲アルティメットの様子
部員もすごくたくさんいたので、試合にはなかなか出られなかったですね。
というのも、私の大学のアルティメット部は当初「みんなで楽しもう」みたいな雰囲気が強く、実力関係なしで、ローテーションで試合に出ていたんです。
いくらがんばっても試合に出れないのは嫌だったし、試合にも勝てないし、何より楽しくない。なので、ローテーション制ではなくスタメン制に変えるところからやってみました。
ーすごく反対されそうですね……
先輩にはめちゃくちゃ反対されました。
だけど同期のメンバーと一緒に、チームとして強くなるにはどうすれば良いかを考えるのは楽しかったです。それに、後輩の代からは試合に勝てるようになったので、チームの土台を作れてよかったなと思っています。
ー学生のころからITに興味があったんですか?
IT業界はこれから伸びそうっていう理由で、情報科学部コンピューターサイエンス学科に入学しました。それまでパソコンを触ったことすらなかったんですけどね笑
パソコンスクールみたいなところを想像してて、タイピングとかエクセルから教えてもらえると思っていたくらいです。
授業についていくのは大変でしたけど……まったく知らない世界だったので、日々発見があって楽しかったです。
ー就活時はエンジニア職を志望されていたんですか?
そうですね、幅広くいろんな会社にエントリーしていました。
DOJを知ったのは、求人サイトからオファーをもらったのがきっかけですね。説明会に行って、興味を持ったので選考に進みました。
ただ、当時はPHPとかWeb開発で使う言語はまったく触ったことがなく……。僕のスキルでWebエンジニアとしてやっていけるのか不安がありました。
ーそれでも、DOJに入社する決め手になったのは何ですか?
いちばん魅力に感じたのは、面接でかなりフランクに喋れたことです。
面接のための準備はそれなりにしなきゃいけないとは思うんですけど、ありのままの姿を伝えるほうがいいかなって。その結果、不採用だらけでしたけど。
DOJの場合はフランクな雰囲気のまま社長面接まで進んで、そのまま内定をもらえました。
ー社長のキャラがそのまま社風になっているかもしれません
確かに! ボトムアップで提案できる社風なのかどうか、面接のときにしつこいくらいに聞きました。
上から言われたことをこなすだけの働き方はあまり好きではないので、自分で動いて変える余地があるか、そういう雰囲気なのかどうかは重視したところです。
入社1年目で気づいた、マネジメントのおもしろさ。
ー入社1年目、どんな感じでしたか?
エキテンの「バス停検索」のリニューアル案件に取り組んでいました。
プログラミングをするというよりは、SES(システムエンジニアリングサービス、外部のシステムエンジニアへ業務委託すること)の方へ、作業を切り分けて依頼する役割を担っていました。
▲鉄道駅を基点としたお店探しができるエキテンに、バス停を基点とした店舗検索機能を追加。鉄道空白地帯にも対応し、さまざまなニーズに対応できるようにリニューアル。
ーいまのブリッジSE業務の土台のような経験ですね
このとき、自分はプログラミングよりもマネジメントが得意なんだろうなって気づきました。
ーブリッジSEに興味を持ったのは、マネジメントをやってみたいという気持ちからですか?
ブリッジSEに興味があったというよりは、おもしろそうなことに興味があった、というのが正直な気持ちです。
入社2年目のとき、ベトナムNTA社とオフショア開発をやっていこうという動きがあって。ちょうどその頃は停滞期というか、自分のキャリアの方向性をどうしていこうか悩んでいたんです。
現状を変えたい気持ちが強かったので、ベトナムへ行くことにしました。
ー迷いや不安はなかったですか?
すっごく悩みました。
「ベトナムに興味がありますか?」というアンケートが送られてきたときも、「とても興味がある」「興味がある」の選択肢をどっちにするかずっと迷っていたんです。
「とても興味がある」を選択するとベトナム出向だなというのは何となくわかるじゃないですか。最終的に、行けたらおもしろいだろうなという気持ちが勝って、「とても興味がある」と回答しました。
不安を抱えつつもベトナムへ。たくさんの人に支えられてブリッジSEデビュー。
ー実際にベトナムでの生活はどうでしたか?
最初の3か月はベトナムの生活に慣れること、ブリッジSEとしての仕事に慣れることを同時に行う必要があり、大変だった記憶があります。
生活に関してはベトナム人の同僚と現地の日本人社長に支えてもらい、問題なく乗り越えられました。
ーブリッジSEデビューはどんな感じでしたか?
コミュニケーションとマネジメントは自信があったのですが、正直、技術力が足りていなかったですね。日本ではPHPを1年くらい触っただけだったので……。
プログラムの中身も見ておかなくちゃいけないので、技術の勉強はすっごくがんばりました。
ーブリッジSEの業務について教えてください
一般的にいうと「顧客とベトナム人エンジニアを繋ぐ人」って感じかな。
ベトナムに行く前にブリッジSEって何だろうっていうのを調べたんですけど、プログラミングをあんまりしなくて、コミュニケーションだけ取ってる人みたいなイメージでした。
実際には顧客へのヒアリング、設計などの上流工程からスケジューリング、タスク管理まで、下流工程以外はすべて行う感じですね。▲一般的な開発の流れ
ー顧客とのやりとりもあるんですね
そこが思ったより大変で。どうやったら顧客が求めているものを形にできるのか、いつも悩んでいます。
ーオフショア開発の依頼があったら、どんな流れで進めているんですか?
一般的には要件定義や設計の上流工程を日本側のブリッジSEが行って、プログラミングなどの下流工程をベトナムで行う流れだと思います。
いまはちょっと手が足りないので、上流工程を同じくDOJグループ会社のENW社にお願いしています。
ENW社で仕様書を固めるところまでをやってもらって、仕様書からデータベースの設計、プログラミングのための設計をしてエンジニアに渡すのが僕の役割です。
ーブリッジSEの仕事はけっこう幅広いんですね
上流工程はディレクターがやる、という企業も多いと思います。
部長ともよくその話になるんですけど、ディレクターとブリッジSEの役割を明確に分けてしまうと、お互いが自分の領域を持ってしまって、お互いに干渉しようとしなくなってしまうんじゃないかって。
ディレクターは仕様書を渡したらおしまい、ブリッジSEは仕様書を待っているだけ、みたいな。
だけど、DOJの場合はお互いの領域に干渉できるように、あえて線引きを曖昧にしています。ブリッジSEの立場からも仕様について提案すべきだと思っていますし、それができる環境なのがDOJの強みですね。
ーベトナムのエンジニアとどうやってコミュニケーションしているのですか?
基本的にはチャットワークを使って、テキストでやり取りしています。テキストメッセージも日本語の資料もすぐに翻訳してくれるので助かります。
テキストで伝わりにくいときは、日本語のわかるエンジニアを交えてオンラインミーティングをしています。
僕の場合は1年間ベトナムに出向していたので、現地で仲良くなったエンジニアとはいい関係が築けていると思います。
▲出向先のメンバー
ー逆にオフショア開発で困ったことはありますか?
やっぱりコミュニケーションですかね。まあ、それが仕事なんですが。
日本の顧客に対してはエンジニア用語を噛み砕いて、わかりやすく説明をしなければいけないです。ベトナムのエンジニアに対しても、伝え方にはやっぱりコツがいるのかなと思います。
ーいつも楽しそうにミーティングしていると思っていたのですが、隠れた努力があったのですね
どうしても通訳を介したコミュニケーションになってしまうので、日本人特有の冗長的な表現は避けています。曖昧に返事をせず、YES・NOをはっきり伝えないと認識の違いが生じてしまいますから。
通訳の人も喋ったことをすべて通訳するのは大変です。一気に喋らずに、わかりやすいところで区切って伝える工夫は必要ですね。
技術的なところなら英語で伝えるようにしたり、画像や動画などを駆使したりしてなんとか伝える努力をしています。
いろんな技術に触れる、アンテナを貼って改善点を探す。そこがおもしろい。
ーブリッジSEのおもしろさは?
いろんな技術、プロダクト、業界に関われることですね。
Webエンジニアは1つの言語だけを突き詰めていくことが多いと思います。DOJだったらPHPだけみたいな。
だけどブリッジSEとしていろんな案件に関わることで、iOSやアンドロイドアプリ開発、サーバー構築などのインフラ設定とか、いろんな技術に触れられるのはおもしろいですね。
ーブリッジSEはどんな人に向いていると思いますか?
DOJのブリッジSE2名とNTAのブリッジSE2名の共通点ともいえるんですが、好奇心が強くて、いろんな技術に興味がある人に向いていると思います。
常にアンテナを貼って、改善点を見つけることも大事です。
チームの状態を良くしていくためなのですが、僕としては、どうやったら自分の業務を減らせるかという視点も大切にしています。
ーブリッジSEの仕事を通じて学んだことを教えてください
そもそもWebエンジニアになろうと思ったのは、顧客とコミュニケーションを取らなくても済むという後ろ向きな考えもありました。
「顧客=頭ごなしに怒る人」を想像していたけど、そんな人はいませんでした。いつのまにか苦手意識が無くなって、慣れていることに成長を感じてますね。以前の自分と大きく異なる点かなと思います。
ー今後、チャレンジしてみたいことは何ですか?
開発するにあたって、テンプレートが整っていない部分がたくさんあるので、整えていきたいですね。
プロジェクト単位、ブリッジSE単位で決まっていても、共通で決まっているものはまだなくて。再現性を高めるためにも、そういうノウハウやルール作りをしていきたいと思っています。
自分で解決できなくても、頼れるプロフェッショナルがいる。それがDOJらしいところ。
ーデザインワン・ジャパンらしさを感じるのはどんなときですか?
プロフェッショナルがたくさんいることだと思います。ベトナムに出向していたときも、DOJのエンジニアにたくさん助けてもらいました。
ーそれは心強いですね!
当時はPHPしかわからなかったので、PHPに関わるところはしっかり指示できるんですけど、フロント部分はどうしても解像度が粗くなってしまって。
CSS(Webページの文字の大きさや色などのスタイルを指定するための言語)の指示が必要な場合は、DOJのフロントエンドエンジニアに助けてもらっています。インフラについても、インフラエンジニアに助けてもらっています。
自分で解決できなくても頼れる人がいるので、ブリッジSEのハードルは思っているよりも低いんじゃないかなと思います。そこはDOJならではのメリットですね。
ー社内のコミュニケーションも活発ですよね
フランクにコミュニケーションが取れる社風なのは、やっぱり社長が靖雄さんだからかな。
靖雄さんはゆるい雰囲気ではあるのですが、やはり行動力は段違いだなと思います。話していてすごく勉強になります!
ー社長はゴルフ仲間でもありますね
ゴルフ仲間、ですね笑
「ゴルフやります!」って言って2、3日でゴルフバッグが送られてきたときはさすがに驚きました。
ーそんなDOJですが、どんな人といっしょに働きたいですか?
常に改善の意識がある人だと良いかなと思います。
もっと効率的にできないか、自分が単一障害点になっていないか、そんな考え方が大事だと思います。ブリッジSEに限らず、そういった考えで仕事をした方が楽しいですしね。
ーブリッジSEをめざす人に向けて、メッセージをお願いします!
ブリッジSEは技術力ももちろん大事ですが、リスペクトも大事です。
ベトナムのエンジニアをマネジメントすることになるので、うまくマネジメントすることよりも、リスペクトを忘れずに異文化を楽しめる人といっしょに働きたいです。
自分で学んだことを業務に活かせるのも有意義ですし、そういう働き方は成長率が違うと思います。