2015年に新卒入社後、エンジニア、Webディレクター、マーケティングとさまざまな経験を積み、
現在はカスタマーサクセスに情熱を注ぐ岡本にインタビュー。
カスタマーサクセスとは「顧客の成功」という意味で、ざっくりいうとエキテンを利用することで、利益や成果を上げられるようにサポートする業務のことをいいます。
結果的に自社の利益にも繋がるという考え方です。
まだまだ新しい概念のカスタマーサクセスですが、どんなことに取り組んでいるのか聞いてみました!
プロフィール
- 所属:カスタマーサクセス部リニューアルセールスチーム
- 趣味:読む(本、漫画、Web上のテキスト幅広く)、ラジオを聞く、歌う(カラオケ、鼻歌…)、写真撮影
- 経歴:2015年新卒でデザインワン・ジャパンに入社
解約させないのではなく、使い続けてもらうにはどうすればよいかを考える。
ー「カスタマーサクセス」ってどんな仕事をしているんですか?
部としては、会員店舗解約率やオプション売上などを主要なKPIとしています。
例えば、エキテンやオプションの解約申し込みがあった店舗に対して「来月も続けてみませんか?」とメールアプローチをしたり、解約フォームの改善をしたり。
でもそれは「最後のあがき」でしかないので、解約させないというよりは、やはり成果を出してもらって使い続けようという気持ちになってもらうのがいちばんですよね。
ー具体的にどんな施策をしているのですか?
会員店舗の解約理由を見ていると「効果がない」といった店舗もいらっしゃいます。でも効果が出ていない店舗ほど、機能を使いこなせていないケースが多いんです。
なので、まずは基本的な使い方を知ってもらうために、契約直後に「オンボーディング」を行うようにしています。
オンボーディング8割、最後のあがき2割くらいですかね。これまでは最後のあがき系の施策が中心でしたが、どうしても打ち手が少なくなってきますし、解約を決めた人を動かすのってなかなか難しいんです。
ーオンボーディングってどんな方法があるんですか?
もともとはメールで使い方や活用方法を案内していたんですが、とてつもなく文章が長くなってしまって……。
メールでは伝わっていなさそうということで、「動画」に挑戦しています。
例えば「エキテン ネット予約」なら、基本的な使い方や予約数が増える活用術を動画マニュアルで解説しています。
【オンボーディング動画例】
ー動画って、もしかして内製しているんですか?
そうです! 絵コンテから自分たちで作っていて、チームのパワポ職人が動画化しています(笑)。
けっこう手応えは感じていて、アンケートでも「動画を見てやってみようと思った」という声がありました。
コンテンツを作るのは大変ですけど……カスタマーサクセスにつながればうれしいです!
顧客を知りたい、顧客に成功してもらいたい。実体験から得た気づき。
ーカスタマーサクセスにジョインして4年、最初はどんな感じでしたか?
「お客様のことを知らないと何も始まらないな」と思って、上司に志願してエキテンユーザーの店舗を訪ねてみました。
以前、エキテンの成功事例インタビューをしたことがあったのですが、それはエキテンの良いところを聞くだけでした。
そうではなくて、今度はエキテンを活用できている人と、解約をした人とをセグメントしてインタビューをしてみたんです。
すると、「こんなに差があるんだ!」と気づくことが多かったです。
ーネガティブな意見も大切なんですね。それにしても行動力がすごい!
データやアンケート調査で理解を深めていくこともできますが、やはり1対1のコミュニケーションでしか得られないこともあります。
だから、サポートセンターのメンバーにも話を聞きに行って、お客様がつまづきやすいポイントを共有してもらうことも大切にしています。
ーそれが施策にも活きてくるんですね。どんなときに、施策がうまくいったと実感しますか?
すごく思い出に残っているのは、コロナ対策のポスターを作ったときのことです。
緊急事態宣言下で店舗様も厳しい状況で。何かやれることはないかと、社内の有志メンバーで考えたのが「コロナ対策ポスター」です。
ポスターをPDF形式で配布して、ちゃんと対策してることをアピールできるようにしようというものでした。
さっそくお店に配ったら、すごく喜んでもらえたんです!
ーそれはうれしいですね!
サポートセンターのメンバーにも「こんなに感謝の電話をもらったことはない」って驚かれました(笑)
ポスターのデザインをブラッシュアップしていけば、もっと喜んでもらえると思うんですけど、それが自社の成功=売上にどう繋がるのかと聞かれると説明できませんでした……。
データなり、根拠なり、説明する力が必要だと実感した出来事でもありますね。
ーそのあたりがカスタマーサクセスの難しさなのでしょうか?
会員店舗としては、口コミ件数とか予約数とか目に見える形で成果が必要かなと思います。会社的には、何かの施策でコンテンツを登録してくれたとか、問い合わせ数を減らせたとかが目的になります。
会員店舗に喜んでもらえることは続けていかなくちゃならないんですけど、それをどうお金に変えていくかってことも考えないといけません。会員店舗のためだと思ってやりすぎても、お金が入ってこなくても疲弊してしまいます。
ただ、会社にお金が入ることを意識しすぎると良い施策は生まれない。だけど、カスタマーサクセスは直接的なマネタイズに繋がらない。そのあたりのバランス感覚が難しいですね。
Tableau(タブロー)を駆使、1年越しのカスタマーサクセス企画
―「カスタマーサクセス」ってwin-winの関係なんですね
どっちかだけじゃなくて、どっちも良くしてwin-winの関係を作れることがカスタマーサクセスの理想ですよね。
―エキテンを活用することで、来店数が増える、エキテンの利益にもなるという関係ですね
そうなんですけど、解約理由の4割が「効果を感じないから」なんです。その効果って何だと深堀してみると、「来店数が少ない」「ネット予約数が少ない」ということがわかって。
「ネット予約」は会員店舗が効果を実感しやすい明確なポイントです。だけど、ネット予約の利用状況を見てみると、設定方法によって予約数に差があることもわかったんです。
それならば「ネット予約」が多く入っている店舗と同じような設定をして活用いただければ「ネット予約数」を増やすことができるのでは。そして、予約数が増えればエキテンをより長く使っていただける、さらには有料オプションももっと活用いただけるのではという仮説を立ててみたんです。
遠回りなようでも、まずはエキテンで成果を感じてもらえる状態にしようということですね。
―ネット予約システムの設定や操作は難しいのでしょうか?
そう感じる店舗もいるかもしれませんね。どうやって予約の入りやすい設定に変えてもらおうかと悩んだので、サポートセンターのメンバーに話を聞いてみると、「ネット予約システムを理解してもらえなくて、めちゃめちゃ説明が長引く」という課題があるようでした。
ネット予約システムの使い方がわからないままスタートしてしまって、予約を取りこぼしてしまう事案も発生しているようでした。これはかなりもったいないです。
まずはネット予約を何とかすべきだということで、先ほどの動画オンボーディング施策をやってみようという案が出たんです。
―そんな経緯があったんですね
ただ、なかなかGOが出なくてですね……。
いろんなデータを集めて、Tableauで分析して……。やっと「予約数を増やせば、エキテンの売上に繋がる」と示すことができ、オンボーディング施策を実施できることになったんです。
ここまで1年くらいかかりましたが、ついに仮説を検証していくフェーズになりました!
―Tableauも使いこなしているとは驚きました
サブタスクで「CS部のtableauマスター」というのも持っているので(笑)。開発部にもいたのでSQLも理解していますし、データの出し入れも得意です。スキルが活かせて良かったです。
なぜ?どうして?を楽しめる人はカスタマーサクセス向き
―どんな人がカスタマーサクセスに向いていると思いますか?
マネタイズも大事なのですが、顧客に成功してもらいたいというマインドがまず必要です。そこからブレてはいけないと思っています。
お客様にどうなってほしいか、そのためにはどんなコンテンツや手段が必要なのかを考えて、突き詰められる人。課題や疑問に好奇心を向けられる人が向いていると思います。
―サポートチームへのヒアリングも大切ですね
私もまだ足りていないんですけど、一次情報をもっとフットワーク軽く取りに行けるといいですね。お客様とコミュニケーションが取れない分、積極的に情報を取りに行く姿勢は大切です。
―チーム間の連携がスムーズなのはDOJっぽいですね
そうですね、slackで質問したらすぐに答えてもらえるし、惜しげもなくいろんなことを教えてもらえる環境はありがたいですね。
点から線へ。狙いを定めた施策を考えていきたい。
ーこれから取り組んでみたいことについて教えてください
カスタマーサクセス部としては、数字を見ていこうという動きになっています。データでの効果測定ありきの施策を考えていきたいです。
データを活用するために、詳細なカスタマージャーニーマップの作成にもチャレンジしたいですね。顧客体験をちゃんと設計して、まずは粗くてもいいから狙って施策をやりたいです。
ちゃんと設計されてれば、ひとつひとつの施策が繋がって、相乗効果が生まれると思うんです。今は点の状態だけど、狙いを定めた施策を考えて、ちゃんと線で繋いでいけばもっと効果は上がるはず。
忙殺されると理想を忘れがちですが、お客様の成功というところは崩さずに考えていきたいです。