「エキテン」のWebディレクターとして働くSにインタビュー。現在二人のお子さんの子育てと仕事を両立しながら活躍している彼女に、これまでの経歴や、仕事への思い・やりがいについて聞いてみました。
プロフィール
- 所属:サービス開発部 サービス企画チーム・OwnerGrowthチーム
- 職種:Webディレクター
- 趣味:絵画鑑賞、音楽鑑賞
- 経歴:Webサイトの制作会社に入社し、Webディレクターとして多くの案件を経験後、2022年5月 株式会社デザインワン・ジャパンにジョイン
「好き」を学んだ学生時代と、「やりがい」を学んだ前職時代。
ーどんな幼少期、学生時代を過ごしましたか?
母親が芸術好きで、画集が家にあったり、休日は美術館に行ったりと、幼い頃から美術に触れる機会が多くありました。中学の時に受けた美術史の授業が面白く、そこから美術に対して更に興味を持つようになりました。
ーなるほど!だから大学も美術史を専攻されたんですね。
最初は、就活のことを考えて経済学部への進学を考えていました。しかし、高校の先輩の進学先(大学・専攻)とその後の就職先を見てみたら、専攻と就職先にはあまり関連性がない人も一定数いることに気付き、だったら学生生活の最後は自分の好きな事を学びたい!と思い、美術史を選択しました。
マニアックな美術好きが沢山集まっていて、学生生活はとても面白かったです。
ー就活はどんな軸で進めていたんですか?
やはり美術が好きだったのでデザイン系の仕事に興味を持っていました。
後は自己分析をしてみて、多くの人に影響を与える仕事をしたいと思っていたので、広告業界だったり、様々な業種のクライアントと関わりたくて人材業界も見ていました。
結果、人材系の事業も行っているWebサイトの制作会社に就職を決めました。
ー入社後、どんなお仕事をされていたんですか?
新卒研修後に会社にて適性を見たうえで配属が決まり、私はWebディレクターとしてWebサイト制作の部署に配属になりました。
配属後は、企業のオフィシャルサイトやサービスサイトなどの制作ディレクション業務をメインに担当しました。全ての案件が同時進行していたわけではないですが、常に20件程の案件を受け持っていました。納品後、サイトの運用まで依頼いただくケースもありましたが、基本的には納品したらその案件は終了という流れが多かったです。
ーどんなやりがい・面白さを感じていましたか?
企業から依頼を受けてWebサイトを制作するという、所謂クライアントワークだったので、クライアントの業種やサービス/製品・サイトの種類によって企画が大きく違うので、様々な業界やWebについて幅広い知識を得られるのは、とても面白かったです。
Webサイトも種類があって、大きく分けると7種類に分けられます。
- コーポレートサイト
- サービスサイト
- ECサイト
- プロモーションサイト・LP
- ブランディングサイト
- 採用・リクルートサイト
- メディアサイト
目的によってどんなサイトを制作するかが変わってきますし、またクライアントからのオーダーも様々なので色んな事例や案件に携われたのは面白かったです。
東日本大震災の時に、全国の子ども達から被災地の子ども達に向けて応援メッセージを送るというサイトの制作に携わったことがありました。その時は、Webサイト制作を通して、自分も被災地支援に関わることが出来、とても嬉しかったですし、いつも以上に意義を感じながら仕事に取り組ませてもらいました。思い出深い仕事の1つですね。
後は、美術が好きなので美術系のクライアントから依頼が来たら私にください!とお願いして案件を振ってもらったり、逆に他のメンバーが興味のある案件は担当を代わったり、自分の好きなジャンルに携わることもできて楽しかったですね。
ーでは逆に大変だった部分はありますか?
クライアントワークならではの大変さはありました。先方の希望に添って納期を設定してプロジェクトを進めなければいけないので、納期まで余裕がない場合はスケジュール調整や進捗管理は大変でした。また、クライアントの担当者にWeb制作に関する知識があるとは限りません。なので、依頼や修正のやり取りなどは苦戦するケースもありましたね。
夕方まではミーティングや社内外とのやり取りに追われることが多いので、定時後にようやく企画書の作成など自分の業務に集中して取り組める、というのが大体の1日の流れだったので、入社直後は業務に慣れていない事もあって遅い時間まで仕事をすることも多く、働き方としてはハードでした。
仕事と子育ての両立を考えて転職。DOJに入社を決めた理由。
ー前職では産休・育休・復職も経験されたんですよね
はい。3年間の本社勤務後、通信教育・出版事業を行う某大手企業の全サイトを一括管理している会社へ出向となりました。社外向けのオフィシャルサイトや製品サイトだけでなく、社内向けのイントラサイトもあり、合わせて40~50サイトの全ディレクション業務を一人で担当していました。そこで3年半ほどの勤務を経て一人目の産休・育休を取得しました。
ー復職後の働き方はどうでしたか?
出向先の職場が自宅から遠く、子どもの送り迎えもある中で通うことが出来なくなったので、復職のタイミングで本社勤務に戻り、Webサイト制作の部門でデザイナーやコーダーの外注管理の業務を担当しました。その後、人材派遣事業の部署に移り、派遣サイトの運営や派遣サイト・自社の求人サイトの求人原稿のライティングを行うなどの業務を経験しました。
2度の異動を経験後、二人目の産休・育休を取得し、人材派遣事業の部署に復職しました。当時、ちょうどコロナ禍だったため、一部在宅勤務が出来る環境になっていましたが、コロナの打撃を受け、派遣事業の部署自体がなくなってしまって…。会社指示で2か月間休職となったんです。その後、コロナが落ち着いた後はフル出社の働き方に戻り、子育てと仕事の両立に難しさを感じ始めました。
ーそこが転職を考えたきっかけでしょうか?
そうですね。やはり、仕事と子育ての両立を考えると、在宅勤務もできるような職場環境の方が望ましいと思うようになり、転職活動を開始しました。
実は、仕事内容については、Webディレクターは自身の経験から凄く忙しいイメージがあったので、以前から興味のあったマーケティング職へのキャリアチェンジも含めて転職を考えていました。
ーDOJの選考を受けてみよう!と思った理由は…?
スカウトメッセージをいただいたのですが、その中に「前職が同じ方が10年以上働いています」という内容があって。自分と同じ職場で働いていた人がそれだけ長く勤め続けているということは働きやすい環境なのかなと思って興味を持ち、まずは話を聞いてみたいなと思って面談に参加しました。
ー入社を決めた理由について教えてください。
面談の中でデザインワン・ジャパンという会社についてや、ディレクターが在籍するサービス開発部という部署についてとても丁寧に説明してもらい、ミッションの根本や軸が明確に理解できたので、面談を通して強く惹かれました。
後は働きやすさです。自宅から会社までのアクセスも良く、在宅勤務が出来たり、スライド出社が使えるので子どもを育てながらでも働きやすい環境を探していた自分にとってピッタリだと思いました。
面談時から印象が良く、自分が希望する条件も揃っていたので他社をそこまで見ることもなく入社を決めました。
チームの在り方。常にロジカル・ユーザーファーストで。
ー現在はどんなお仕事をされているんですか?
私が所属するサービス開発部には、ジョブ(仕事内容)型のチームと、プロジェクト型のチームの2種類のチームがあります。
まず、ジョブ型のチームについては、私を含むWebディレクターがサービス企画チームに所属し、DOJの自社サービスであるエキテンに関するシステムの改善や機能追加の企画・ディレクション業務を行うチームになっています。他にはエンジニア・デザイナーがそれぞれのジョブ型のチームに在籍しています。
次に、プロジェクト型のチームについては、UserGrowthチームとOwnerGrowthチームの2つに分かれていて、それぞれのチームにディレクター・エンジニア・デザイナー数名ずつ在籍しています。UserGrowthチームは、一般のユーザーさんが見ているエキテンのサイト・システムのプロジェクトを担当するチームです。私はOwnerGrowthチームに所属しているのですが、OwnerGrowthチームは、エキテンに掲載いただいている店舗さんや営業・CS等の社内のメンバーが業務で使用するサイト・システムのプロジェクトを担当するチームです。
OwnerGrowthチームの今のメインタスクとしては、エキテンにご掲載いただいている店舗さんが使用する管理画面や予約・決済のシステム、また社内メンバーが業務で使用するシステムの機能追加や改善等を行っています。
意見や要望があがってくるのは店舗さんや社内のメンバーからですが、ディレクターとして企画をする上では、「ユーザーにとって使いやすいかどうか」を一番大切にしているので、ユーザー側の知識も幅広く必要になってきます。
ージョブ型・プロジェクト型チームの体制に変わってからどうですか?
元々は、ジョブ型のチームだけだったのが、去年の9月にプロジェクト型のチームが出来ました。私はプロジェクト型のチームが出来たことで、取り組む業務範囲が明確に分かれたので、より集中して業務に取り組めるようになり、良かったなと感じています。
一緒にプロジェクトに取り組む、エンジニア・デザイナー・ディレクターメンバーが固定されたことで開発側やデザイン側に質問したい時も、誰に連絡すればいいかが明確になり、週に一度、プロジェクト型チームの定例MTGがあるので、以前より相談もしやすくなりましたね。
ーディレクターとして大切にしていることはなんですか?
サービス企画チームとしての基本的な考えは、社内メンバーや店舗さんからの要望・意見は、あくまできっかけ・情報であるというものです。なので、ディレクターとして「依頼されたからやる」のではなく、現状どんな影響があって、何が課題で、何故対応が必要なのかを論理的にまとめた上で提案を行うよう常に心がけています。
ーでは、Sさんが仕事をする上で大切にしていることはなんですか?
常に” 目的は何か “を考えて仕事に取り組むことです。仕事って日々の業務に追われていると、いつの間にか手段が目的化しがちなので。間違えないよう日々心掛けています。後はコミュニケーションですね。
例えば、ビジネスサイドの担当者から「Webページ上でこの文字を赤くして欲しい」という依頼があった場合、先ずは、何故赤くしたいのか担当者の目的をヒアリングしています。
文字を目立たせることが目的なのであれば、文字を赤くする事だけが手段ではないので。
ヒアリングした上で、相手の目的に合わせて、こちらから目的を達成するための手段を提案するようにしています。
ヒアリングをすると、元々の依頼内容では見えなかった困り事や根本的な課題などが見えてくることも多々あるので、そのためにも関係者とのコミュニケーションは大事にしています。
コミュニケーションをとる上では、DOJでは基本はSlackを使用したテキストコミュニケーションが多いので、簡潔かつ、簡潔すぎて不愛想に見えてしまわないようにも気を付けています。
ー大変だなと感じるのはどんなときですか?
企画が通らない時ですかね。完成までのイメージが湧かなかったり、次の道筋も見えなかったりする時は、大変だなと感じます。後は、レビューで開発側からきた質問内容に対して理解が難しい時もそう感じますね。
ーそんな時はどう乗り越えていますか?
上司との1on1でしっかり質問しています。上司はディレクター側も開発側も見ているので、自分では気づけなかった開発側の視点に気付かせてもらえたりするので、相談すると一気に解決して仕事が進むことはよくあります。後は同じ企画チームのディレクターに相談します。自分が抱えていたり、苦戦している課題をメンバーに共有することで、アドバイスをもらえたりして解決に繋がることも多いので、メンバーにもよく助けられていて、感謝しています。
ーこの仕事を続けられる理由はなんですか?
この質問、入社した当初に人事インタビューで質問された記憶があります(笑)
その時は「自分が成長したいから」と綺麗な言葉で回答した気がしますが、今改めて考えると「責任感」だと思います。任されたからやらなくては、という責任感で動いていますね。
思い出深いエキテン フルリニューアル。当時を振り返ってみて。
▼エキテン フルリニューアル
店舗の口コミ・ランキングサイトとして2007年からサービスを開始したエキテン。16周年を迎えた2023年に、これまで以上に各業界の専門的な内容を掲載でき、かつユーザのニーズに応えることが出来る掲載内容とするべく大規模なリニューアルを行いました。
ー1番思い出深い仕事はなんですか?
やっぱりエキテンの大規模リニューアルですね。私が入社した時は既に企画や仕様書は固まっていて、仕様書通りにシステムが出来上がっているかテストをして、修正が必要なら修正依頼を行い、またテストをしてを繰り返すというフェーズでした。サービス自体の規模もそれなりの規模ですし、リニューアル自体も大規模だったので、テストの量がとにかく膨大でした。
リリース当日はサービス開発部総出でチェックを行いましたね。当日のチェック業務の進行も担当していたので、各自がどの範囲を確認し、どうチェックして欲しいかの説明会も実施しました。凄く大変でしたが、部署総出で取り組む雰囲気はどこかお祭りのようでしたね。
ー今振り返ってみて思うことはありますか?
対応している時は「とにかく目の前のことをやらなきゃ!」と必死でしたが、終わってみて振り返ると「今度リニューアルする時はこうしよう!」という改善点は沢山ありますね。
こんなに複雑なシステムを作り変える、という仕事は、前職では経験したことがなかったのでとても貴重な経験になりました。
「褒め」の文化。直接もらえるフィードバックがやる気に繋がる。
ーやりがいを感じるポイントはどこですか?
基本的には修正や改善依頼に対応した後の反応は数値データで確認しているのですが、営業やCS等、社内の担当者からの依頼に対応していると「修正してもらってよかったです」等直接声を聞けるのでやりがいを感じます。
前職では相手がお客様ということもあり、納品されることが当たり前だという部分もあってか褒められることはあまりなかったかもしれません。
案件共有の定例ミーティングでフィードバックを貰うこともあれば、日報に書いてくれる方もいます。
仕事なので褒めてもらうことが目的ではないですが、褒められたり感謝されたりすると嬉しいし、モチベーションにも繋がりますね。
ー「デザインワン・ジャパンらしさ」を感じる点は?
とにかく本当に良い人ばかりなところですかね。仕事をする上で人間関係のストレスを感じたことはないです。あとは、褒める文化があるところ。社内の表彰制度もありますが、部内での表彰制度もあります。
サービス開発部の中で各自感謝したい人を3名程挙げて、一番名前が挙がった人には「グレートワーク賞」が贈られます。受賞とならなくても自分に投票があると投票理由を教えてもらえます。
後は評価制度もしっかりしていて、全て数値化されていてどこをどう頑張ればいいのかが明確に分かるので、とても働きやすい環境だと思っています。
家庭と仕事の両立が出来るのは、みんなの支えがあるから。
―実際、仕事と子育ての両立はしやすい環境ですか?
今は時短勤務で基本は9時〜16時で勤務しているので、仕事と子育ての両立はしやすい環境です。でもやはり、他の人よりも早く退勤してしまうので少し申し訳なさを感じる時もあります。
特にエキテンリニューアルの時は、タスクに追われて定時までに仕事が終わらない。でも、子どものお迎えに行かなければいけないという日も多くあり悩んでいました。
―どちらも大事だからこそ悩みますよね…それはどう乗り越えたんですか?
家庭と仕事の両立に悩む日が続いて1~2週間経った頃、上司に、「こんな状況の中なのに本当に申し訳ないが、どうしても定時までに終わらせることが出来なかったタスクを引き取ってもらえないか」と相談しました。
すると直ぐに「申し訳ないことなんて何もない。上司は道具だと思って使って欲しいし、そういった申し出を受けたのは初めてで、改めてSさんの責任感の強さを感じた。」と快諾してくれました。そんな言葉が返ってくるとは全く考えていなかったので、とても驚きました。
他にも、リリースが退勤時間の16時になる時は、その後の確認作業が発生することを気に掛けて、「リリースが16時(退勤時間)になるけど大丈夫ですか?」とメンバーが声を掛けてくれたり、色んな人に支えてもらいながら仕事が出来ています。
ー育児が仕事の支えになっていると感じることはありますか?
エキテンリニューアルのリリース日、残業を終えて帰宅すると、流石に夜遅かったので子ども達は寝ていたのですが、机の上に「ママお仕事おつかれさま」という手紙とチョコレートが2個置いてありました。あの時は凄く嬉しかったですね。
あとは在宅の日に少し仕事が詰まっていた時、ダメもとで「ご飯を作ってくれるかな?」とお願いしてみたら、娘達で協力してオムライスを作ってくれた事がありました。
子どもの存在に癒されたり、助けてくれる子ども達に成長を感じてあたたかい気持ちになりますね。
ーSさんが今後取り組んでいきたいことはなんですか?
やれることはまだまだ沢山あるので、新しい体制になった今のチームでオーナーにとっても、ユーザーにとっても、エキテンをより良いサービスにしていけるよう、頑張っていきたいと思います!